意外と知られない

骨粗しょう症の診断基準、測定方法
 

1原発性骨粗しょう症の診断
 
骨の診断評価が下記の条件を満たす場合に原発性骨粗しょう症と診断されます。

 1)脆弱性骨折がある場合

   *脆弱性骨折とは軽い外力によって発生した非外傷性骨折

    その場合、骨密度がYAM値の80%以下
 2)脆弱性骨折がない場合

   骨密度がYAM値の70%以下

   若年性成人平均値をYAMといいます。
   腰椎の場合:YAMは20〜44歳の平均

   大腿骨の場合:YAMは20〜29歳の平均

   (何故、腰椎と大腿骨のYAMの計算の若年成人の年齢が異なるのかは不明です。

   計算年齢が異なるため、加齢者の大腿骨のYAMが低くなる傾向があります。)


2骨密度の測定方法
 
1)測定する骨の種類

   腰椎・大腿骨頸部・大腿骨近位部・橈骨・第二中手骨が用いられます
 

 2)測定方法
   DXA (dual-energy X-ray absorptiometry), MD(microdensitometry),

   QUS (qunatative ultrasound. 超音波測定法)などがあります。

   

        この中でDXAホウガ、最も頻繁に骨密度、骨折リスク評価や骨粗しょう症診断や治療薬の効果判定に使用さ
   れるれています。

   大病院でだけでなく、整形外科医院でも採用されています。

続発性骨粗しょう症

骨粗しょう症と同じように骨強度や骨密度を引き起こすけれど、その原因がはっきりしている場合は続発性骨粗しょう症と診断されます。
続発性骨粗しょう症を引き起こす原因としては、様々なものがあります。

*内分泌性:副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、性腺機能不全など
*栄養性:胃切除後、食欲不振症、吸収不良症候群、ビタミンC欠乏症など、ビタミンAやDの過剰

*薬物:ステロイド薬, 抗痙攣薬、ワルファリン、ヘパリン、SSRI、メトトレキサートなど

*不動性:臥床安静、骨折後など

*先天性:骨形成不全症など

*その他:糖尿病、関節リウマチ、アルコール多飲、慢性腎臓病、慢性閉そく性肺疾患など

続発性骨粗しょう症では、原疾患の治療と原因物質の減量・中止が原則です。

 

ステロイド薬、関節リウマチ、1型・2型糖尿病は、骨折リスクが増大することが確認されています。

他の因子については、明確なエビデンスはないもののリスク上昇因子と考えられています。

(参考資料:ダイジェスト版、骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版)
 

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